「俺の家の話」第8話 寿一の有頂天から始まり”介護問題”の切ないラストに泣けた

さくらとの結婚をぬるま湯のような家庭にしようと、プロレスラーを辞めることを決意する寿一。

8話では男社会で育った女の思いのたけが語られるなど、観山家に新たな問題が勃発する。

家族の亀裂、溜めてきた思いのすれ違いなど、能、プロレス、介護に加え、大御所である人間国宝の寿三郎の身勝手な行動への爆発など・・・。

どこか、うんうんわかると頷いてしまうシーンが多い第8話。

知らぬ間にケガをしていることもあるプロレスラーのあるある話?

さくらとの関係に有頂天になっている寿一は、さくらを山賊抱っこした際に、アキレス腱を断裂してしまう。

寿三郎や長州力に足を引きづっていることを心配されるが、寿一は全く気付かない。

そんな中、プエルトリコで寿一に負けたホセ・カルロス・ゴンザレス・サンホセの息子、”ホセ・カルロス・ゴンザレス・サンホセJr”が寿一に試合を申し込んでくる。

このシーンでも、ちょいちょいと長州力のボケが入ってくるところが、またいい感じだ。

だが、寿限無と能の稽古をしているときに、急に倒れた寿一は2週間の車いす生活になった寿一は、もちろん試合には出ることができない。

代わりに試合に出たのは、さんたまプロレスのスーパー多摩自マンだったが、負けてしまう。

プロレスラーにとって、普段やっている技や、行動でケガに繋がるとは思わないことが多いが、寿一のようにちょっとしたバランスの崩し、荷重のかけ方でケガに至ることがある。

2週間という期間でも、プロレスラーにとっては試合に出れない期間は痛手と言ってもいい。

が、その点の深刻さが描かれないのが、プロレスに偏っていない「俺の家の話」のいいところ。

そして、IWGPの佐藤隆太さんが、病院の医師というところも、面白い。

佐藤隆太さんはブリザーと叫びながら、ポーズをとって応援していると伝えたシーンは、実際に医師の中にもファンの人はいるんだろうなと、妄想を誘う1シーンではないだろうか。

さらに、元妻・ゆかの出産シーンには矢沢心さんが!

寿一とさくらの関係が予期せぬことで発覚!弟・踊介の逆鱗に触れる

さくらと寿一の交際がうまくいったことで、ハッピーな話が連続するかと思いきや、家族旅行で円満になったはずの観山家に、続々と問題が勃発する。

さくらと寿一はプロポーズの話を、弟・踊介に伝えるタイミングを見計らっていた。

そこに、有頂天になっていた寿一は、世阿弥マシンのLINEスタンプを、さくらではなく、弟・踊介に送ってしまったことで、バレてしまう。

そのことがきっかけで、弟・踊介は家に近寄らなくなる。

ここで、雲行きが怪しくなってきたが、これは、バレたらそなるだろうという予想は付いていた。

そこにさらなる問題が・・・。

さくらとの関係を妹・舞に打ち明けようとする寿一が逆に打ち明けられたOSDの浮気問題

妹・舞にさくらとのことを切り出そうとした寿一。

そこに、まさかの妹・舞の夫OSDが店の女の子と浮気をしていると告白されてしまう。

OSDを、観山家に呼ぶことになってからが、観山家を襲う修羅場の第一弾到来だった。

観山家一同揃った中で、なぜかOSDと一緒に浮気相手と思わしき女店員もやってきたことで、舞の怒りは爆発する。

ことはOSDのことではなく、寿三郎と寿限無の関係、寿三郎の浮気が原因で泣いていた母への思いが、こみ上げてくる。

さらに、舞の初恋の相手が寿限無だったことまで明かされる。

修羅場の中に、そんな事実が?と驚愕する内容を盛り込んでいる。

この事実は想定しなかった・・・と思った人は多いのではないだろうか。

そして、寿三郎、OSDへの怒りを大爆発させた舞も、観山家に近づかなくなってしまうのだ。

さらに観山家を襲った修羅場は寿三郎の一言で寿限無も・・・?

寿一のアキレス腱断裂で、寿限無が寿三郎のお風呂タイムの担当になった。

ところが、寿一が治るまで風呂に入らないと言い出す寿三郎の言葉を、聞いてしまった寿限無。

やりたくてやってないと怒りをあらわにする寿限無に、寿一はその気持ちをぶつけようと、説得するも、階段から落ちてしまう。

そのまま、寿限無も家を飛び出し、寿一はさらに1ヶ月の車いす生活になってしまった。

この修羅場は、寿一と寿三郎の親子の介護、ずっと離れていた親子の絆を感じさせるシーンでもある。

それにしても、寿三郎さん、そりゃないよーと思わず画面に向かって呟いたのは、わたしだけかなー。

寿一と寿三郎の車いす生活は終活再開のスタートになった が、今度は寿三郎の介護の問題が浮上する

広い家に車いす生活の男が2人。

家事などはさておいて、2人が再スタートしたのは”寿三郎の終活”だった。

終活と言っても、今回は本腰を入れた終活だ。

寿三郎の認知症も少しずつ進む中で、覚えているうちに決めておくこと、やっておくことを相談していく。

そこには、葬式の参列者に向けた動画メッセージを撮ったり、面と向かって言えない、言っても忘れてしまうであろうことを予測した寿一からのメッセージなど、介護の一番重要だけど、なかなか触れ肉部分にスポットあてている。

介護問題で、いつかは決めておかなくてはならないこと、話し合っておかなければならないこと。

だけど、実際の介護の中では、正直、触れにくい部分を真剣さを含めながら、ちょっと冗談を交えながら描いているのは、ドラマの枠を超えて、自分のことのように感じることができる。

まさかの次代は寿一ではなかった?

終活を進める2人の元に、元妻・ゆかと寿一の息子・秀生、さくらがやってくる。

さくらはヘルパーとして、入浴介助もできる資格を取り、寿三郎のお風呂タイムも復活。

元妻・ゆかと将来の妻・さくらは、寿一のファンという話題で盛り上がっている。

元妻・ゆかは、ファンの時が一番楽しかった、勝てば笑ってくれる、負けたら思い切り悔しがる、ファンの分まで喜んだり、悔しがったりしてくれる。

この言葉は、プロレスファンなら誰もが思っていることだと思う。

日常の中では、感情をあらわに出すことはタブーとされているといってもいい。

でも、プロレスは日常の真逆を体感できる、非日常を感じることができる場所だからだ。

でも、ここで想像してしまったのは。

もし、自分がプロレスラーと付き合ったり、結婚をした場合はどう思うだろうか???

ということだった(笑)

そんなほんわかムードの後に、寿一と秀生の能の稽古をしていた寿三郎が、能のうたいを忘れてしまう。

この時に寿三郎の口から出た言葉は、厳しい中にも悔しさが感じられる。

一度、能の世界から逃げ出した寿一に対して、一度逃げ出した奴は、何度も逃げ出すんだ。観山家は秀生に継がせるというのだ。

誰もが、耳を疑った瞬間だ。

でも、この後、この言葉が本心ではないことを感じさせるシーンが。隅田川で寿一の動画を見ている寿三郎の、温かい、優しい声だ。

介護の限界?寿一と寿三郎の別れに涙が止まらない、せつないラストシーン

2人の朝食シーンでかわされる会話が、介護をしている人には切なくも、覚悟を決めなければいけない。

そう感じるかもしれない。

朝食が終わった後に、出かけようという一言から、寿一の無念さを感じる決意を感じる。

向かう先は、ケアマネのスエヒロさんがいるグループホーム。

車いす生活の寿一が、寿三郎を自宅介護していくには、無理がある。

寿三郎の認知症が進むことも考えると・・・という、苦肉の決断だった。

グループホームに到着した2人の目には、うっすらと別れを惜しむ、別れたくないとさえ感じさせる涙が浮かんでいる。

ケアマネに連れていかれる寿三郎を、もう一度呼び戻す寿一は、寿三郎の持っていたエロいトランプを手渡す。

それから、2人はなかなか離れることができない。

だが、離れなければいけない。この辺りで、もう見ている側も目頭が熱くなってくる。

寿一の背中をずっと見守る寿三郎は、寿一に向かって”ブリザー”と拳を高く上げて叫ぶ。

寿一も拳をあげて応え、出口に向かう中で、寿三郎がずっと見ていることを背中で感じている。

この後の寿一の「もういいよ、いけよ」と言いながら涙を拭うシーンは、もう涙が止まらなくなってしまった。

金曜ドラマ『俺の家の話』|TBSテレビ
TBSテレビ 金曜ドラマ『俺の家の話』の公式サイトです。

親の介護は、いつか誰にでもやってくることだと思う。

だが、実際にその時になってみないと、わからないことの方が多いと思う。

そんな時の、1つのバイブルになるのが、今回の「俺の家の話」かもしれない。

終盤に入って、いろいろな家族の問題や、取り巻く人との関係などに変化が生じている。

できれば自宅介護をしたいと考える中で、現実的には無理なこともあって、決断をしなければいけないこともある。

もし、自分が寿一の立場だったら?と考えた人も多いかもしれませんね。

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