2.10・広島
いよいよ1.17から前哨戦が続いている高橋ヒロムとSHOのIWGPジュニアヘビー級王座決定戦。
これまで幾度も闘ってきた前哨戦。
日を追うごとに、両者のまなざしは真剣になり、リング上で相手を見据える姿を目にしてきた。
その王座決定戦は、激しく、熱い闘いを見せてくれた。
2.10に思いを懸けるSHOと王者・高橋ヒロム
2.10といえば、半年前に兄を亡くしたSHOにとっては、どうしてもベルトを勝ち取って、お兄さんに報告をしたい、そんな思いも抱いている日かもしれない。
そして、これまでの前哨戦でSHOと闘うのが、ぶつかり合うのが楽しいと言っていた高橋ヒロムは、王者としてベルトを保持できるのか?
だが、おそらくファンは、高橋ヒロムもSHOも、どちらにもベルトを勝ち取ってほしい、どちらも応援していたい。
そして、どちらが勝っても、興奮する闘いをしてくれるだろうと期待の高まりも半端なかったに違いない。
結果として、40分弱というぶつかり合いを経て、IWGPジュニアヘビー級王座決定戦の勝者は、高橋ヒロムとなった。
倒れても起き上がるSHOに、立て!と叫ぶ高橋ヒロム
試合開始から高橋ヒロム、SHOどちらも一歩も引かない、激しいぶつかり合いが始まった。
高橋ヒロムがラリアットを見舞えば、SHOは耐え、倒れても何度となく立ちあがりラリアットを返していく。
ヘッドバットを高橋ヒロムが勢いよくぶつけて、場外に落ちても、リング上に戻ったSHOも、これでもかとエルボ、ラリアットの激しいぶつかり合いが続く。
リングのエプロンで技の掛け合いになっても、両者どちらも引かない。
解説席にいた獣神サンダーライガーさんも、どこにこのパワーがエネルギーが、スタミナが残ってるんだと言っていたが、場外での攻防では、カウント19でギリギリ、リングに戻ってくる場面も幾度となくあった。
だが、試合中の二人の顔には、楽しみながらも、一歩も引かない、相手をまっすぐに見据えたまなざしがあった。
前哨戦でもそうだったが、やはり、王座決定戦当日となれば、いままでとは全く違う、お互いを出し尽くす、お互いを認め、全力でぶつかっている表情は、いままでにないほどに、燃えていた。
2.10・広島で、高橋ヒロムは、1.5東京ドームで、王者石森太二から奪取した、IWGPジュニアヘビー級王座のベルトでの初防衛となった。
エル・ファンタズモがIWGPジュニアヘビー級王座に挑戦表明
試合後、リング上に倒れている高橋ヒロムのもとにやってきたのは、1.4東京ドームでジュニアの頂上決戦で高橋ヒロムに敗れた、エル・ファンタズモだった。
ヒロムのマイクアピールの時でも、バックステージでもなく、相手が倒れているところに来るあたりが、ファンタズモらしい。
そして、倒れているヒロムに攻撃を仕掛けようとするが、ヒロムに交わされてしまう、だが、そこにさらに登場したのは、石森太二だった。
ファンタズモと石森が、ヒロムを攻撃している中、BUSHIが応戦に駆けつける。
高橋ヒロムとBUSHIに向かって、ファンタズモは、IWGPジュニアヘビー級王座に挑戦させろというマイクアピールに、高橋ヒロムは、受けてやるよと挑戦を受けて立つ構えを見せる。
だが、一度闘って負けているファンタズモを、おいそれと挑戦者にするのは虫のいい話だ。
そこで、ファンタズモと石森に、高橋ヒロムが出した、挑戦を受けるための条件は、「俺とBUSHIさんに、お前らが持っているIWGPタッグのベルトに挑戦させろ!」だ。
この条件を受けるなら、IWGPジュニアヘビー級王座をかけて闘ってやるというのが、ヒロムからの条件だった。
今後、このタッグの試合がいつ組まれるのか?実現するのか?新たな展開の幕が、早くも上がりはじめた。
YOHとのタッグが復活したらまた高橋ヒロムとの戦いの火ぶたがきられるのか?
現在、休場しているSHOの相方YOH。
まだ、復帰の時期はわからないが、ファンタズモ・石森組vs高橋ヒロム・BUSHIの、IWGPジュニアタッグの試合が組まれ、高橋ヒロム・BUSHIがベルトを取替えしたときに、YOHが復帰していれば、もしかしたら次はタッグでのベルトを懸けた、高橋ヒロムとSHOのぶつかり合いが見れるのかもしれない。
高橋ヒロムvsSHO・まとめ
長いと思っていた前哨戦は、1月17日からパートナーを変えながらではあるが、計12試合の前哨戦を行ってきた。
結果は高橋ヒロムの7勝3敗2分けとなったが、2人で試合が決することはなかった。
だが、高橋ヒロムはSHOに「最高の試合をしようぜ」と言葉を残してる。
試合後のインタビューで、高橋ヒロムは、スーパージュニアの後から、ずっとSHOをみてきた、どんどん変わっているし、気持ちが伝わってきたと言っている。
どんなスポーツでもそうだが、プロレスは感情も肉体も、この上なくぶつけ合って、闘ってくそんな場面が多くみられる。
1試合1試合の中に、それこれ魂がこめられているとさえ、感じることができるからこそ、惹かれ、魅せられるのだ。
今回の高橋ヒロムとSHOの闘いは、まさに、そんな隠れている感情が、抱いている感情が、日を追うごとにヒートアップしていった。
そうして迎えた決定戦当日は、手に汗をかきながら、どちらにも勝って欲しい。
あわよくば、時間切れドローになったら、またこの二人の試合が見れるとさえ思ってしまったほどだ。
そう、この二人の試合は、いつまででも見ていたい。
そう感じさせる試合をみせてくれる。
新日本プロレス・ジュニアがこれから、もっともっともっと楽しくなる予感で、目が離せない、そんな一年になるのではないでしょうか。
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