2月10日広島でIWGPジュニアヘビー級選手権で戦う王者・高橋ヒロムと挑戦者・SHOが前哨戦で熱い戦いを繰り広げている。
1.17からスタートした前哨戦も終盤に近付いてきている。
すでにここまででも、十分に高橋ヒロムとSHOの闘いは、熱くたぎりながらも、バックステージのコメントも日を追うごとにヒートアップしている。
2.10・広島まで待ちきれない、早く2.10にこないかと待ち遠しい気持ちが高ぶっているのは、高橋ヒロムとSHOだけではないだろう。
そんな、前哨戦の終盤、バックステージのコメントは、熱の入ったコントをみているようにも感じる(笑)
火花が見えるような高橋ヒロム、SHOの視殺戦
1.30・愛知県体育館。
この日は、鷹木信悟vs棚橋弘至のNEVER無差別級王座戦でどちらが勝者になるか?
そのベルトの行方も気になるところだが、やはり、高橋ヒロム、SHOの前哨戦からも目が離せない日だ。
リング上のヒロムとSHOのマッチアップは、激しいエルボー合戦では、どちらも一歩も引かず、SHOがヒロムをスライディングキックで場外に転落させる。
お互いの技の読みあい、意地の張り合いが、打撃戦が繰り広げられる。
ここまで、ほぼ毎日タッグ戦ではあるが、前哨戦が続いているが、どちらも、日に日にパワーアップしているし、テンションも上がりっぱなしだ。
試合後は、場外にいるヒロムに対しSHOは視線を送る。
視線の先にいたヒロムは、エプロンに立上り、視殺戦が繰り広げられる。
「高橋ヒロム、会いに来てくれたっていいだろ・・・」SHOがついにヒロムを誘う
日に日にバックステージでの二人の言葉はヒートアップしている。
試合後、SHOは「今日の勝ちは、勢いをつけるためだ。高橋ヒロム、高橋ヒロム、会いに来てくれたっていいだろ・・・」と、ヒロムの登場を待っているコメント。
そこに、
そして、1.28で言葉にした通り、ヒロムがSHOの前に現れたヒロムは、「約束通り会いにきたよ」というヒロムにSHOは、はやる気持ちからか、歩み寄っていく。
そんなSHOを制しながら、ヒロムは「お前の勢いは認めるし、そんなにムキになるなよ、今ここで俺を倒しても、このベルトはもらえないぞ。ゆっくり休んでください。ほら、座ってくださいよ」と言って、床に座る。
SHOをなだめながらも、ベルトを保持している余裕さえも感じさせる。
SHOがヒロムの横に座ったところで、話を続ける。
ヒロムからのSHOとの対談の形
「最初はお前の言う通り、ポッドキャストとYouTube面白いなと思ったけど、試合のテンションで、SHOお前としゃべりたいんだよ。今こうやってしゃべっていることが、俺は嬉しい」と、ようやく見つけたSHOとの対談の形の実現を、本当に喜んでいるようだ。
ただ、SHOは厳しい表情のまま、ヒロムの言葉を聞いている。
そんなSHOに、ヒロムは「今この時を、この感情、大事にしたくないか?俺は大事にしたいんだよ、そう、お前に一つ聞きたいことがあるんだ」
と、さらに、SHOとの対談で直接聞いてみたいと言っていた質問を切り出そうとするヒロムだが・・・。
ここにまさかの飯伏幸太が「ちょっと待って、俺もいるんだよ、仲間外れにしないでよ」と言いながら、ヒロムとSHOの間に割り込み、二人の対談はそのまま進まない。
まさかの飯伏幸太がヒロムとSHOの対談を邪魔する
飯伏が来たことで、ようやく聞けるその瞬間に割り込んだ飯伏に対してヒロムは「いま、俺は大事なことを聞こうと思ったのになー。邪魔してくれたな―」と言葉を放つ。
飯伏が言葉を発しようとしていることを感じ取ったヒロムは、飯伏を制し、さらに言葉を続ける。
「大丈夫、大丈夫だから。俺は飯伏あんたのことも意識している、SHO、飯伏、SANADA、お前ら3人のことを意識してるんだ。嬉しいな、IWGPヘビー、インターコンチネンタルチャンピオンが、こんなに近くにいるのは・・・」
そう、飯伏のことも含めて意識をしていることを明かしたヒロムの言葉をさらりとかわした飯伏は、ここにSANADAもいてほしかったと言わんばかりに「4人で話そう、いつ話すの?」とヒロムをせかす。
ヒロムは「俺はいつでもいいんだけど、今だけは邪魔してほしくなかった。俺はSHOとお話がしたかった」と、飯伏に告げているにも関わらず、その言葉すら遮って「俺はSANADAさんとも話がしたい。4人で話がしたい」と、あくまで自分も含めた対談を持ちかける。
そして、今日の対談を断念したヒロムはSHOに「お前のお兄ちゃんが来てくれてよかったな。もちろん、飯伏、SANADA
そしてSHOお前ら3人は意識してるからな。何度でも言う、お前ら3人は意識してる」と言い残し、去っていくヒロムの背中に「次は4人で」とさらに、言葉をかえる飯伏。
ヒロムは「SANADAさんに聞いとくよ」と飯伏に返事をしている。
ヒロムとSHO、心待ちにしていた対談の場を邪魔しておきながら、ヒロムを追うように去っていく飯伏は、何をしたいのだろう?
そんなちょっとした不思議な行動を見せる飯伏。
2.11・広島でのSANADAとの闘いに期待を膨らませているのだろう。
そして、最後に1人残されたSHOは「面白い、お前が聞きたいこと、一つ聞きたいことって、また今度でもいい、何度でも話してやる。まだ、前哨戦はある。話す機会はある。もちろん、間に入ってきた飯伏さん、そして、SANADA選手、あなたたちのタイトルマッチも、俺と高橋ヒロム、で食ってやるつもりだ」とコメントを残し去っていく。
このコメントを、飯伏がいるときに言葉にしないSHO。
あくまで、SHO自身が話したいのは高橋ヒロムただ1人だからなのか?
マルチタスクが苦手なSHOの中にモヤモヤが募る
2.1・後楽園ホール。
この日も、高橋ヒロムとSHOの前哨戦は続く。
両者のマッチアップは、SHOのスピアーを受け止めたヒロムは逆水平チョップ、逆にSHOは串刺しラリアットからの、ヒロムの腕をつかんだまま胸いたと背中にキックを連打する。
ヒロムもリストクラッチのドラゴンスクリューで反撃、突進するもSHOにかわされ、ここから両者お互いの技の読みあいで試合は流れていく。
SHOはサッカーボールキックをヒロムの背中にヒットさせ、続いてヒロム、SHOのエルボー合戦を繰り広げる。
試合後、ヒロムはSHOを見つめて不敵な笑みを浮かべた。
この不敵な笑みには何が隠されているのか?
毎日、このような熱い、全力でぶつかり合う2人には、何日も続けて試合をしていることすら感じさせない。
それがプロレスだ!と言ってしまえばそうかもしれないが、
まるで、久しぶりに会った盟友同士のぶつかり合いとさえ感じる。
試合後SHOは「高橋ヒロムが俺に何を聞きたかったのか、気になって眠れなかった。俺はマルチタスクってやつができねえんだ。1つのことしか、1つの目的しか・・・」と、ヒロムが聞きたいことが聞けない状態が、試合を重ねるごとに、SHOの中にはモヤモヤとして膨らんでいるのかもしれない。
そんなSHOの気持ちを察したのか、ヒロムがインタビュースペースに駆け込んできた。
「あー間に合った、あぶねえ、俺は話したかったんだよ。この前だって、何だあれ?お前のとこの何だあれは?あんないいとこでさー、普通に入ってくる?」
「俺びっくりしちゃってさー、まあ座れよ。もう試合も終わったんだからいいだろ、今日こそ話が聞きてーんだよ、ゆっくり座ろうぜ!」と、ヒロムに促されながら、床に座ったヒロムとSHO。
「俺の勢いもちゃんと感じてくれてんだろ?愛知はお前の勝利だったけど、俺にもちゃんと勢い、今はIWGPジュニアヘビー級チャンピオン、そして、『BEST OF THE SUPERJr.27』覇者っていう勢いをSHOに見せておかないとと思ってさー、だから俺から聞きたいこといっていいか?」
SHOは促すジェスチャーを見せ、ヒロム「SHO・・・」と話し始めた。
きっとこの瞬間、SHOの心の中では、いよいよ聞ける、これで今日は眠れる。
いよいよヒロムがSHOに聞きたかったことを言う、この瞬間を待っていたんだ。
そんな思いが募っていたんじゃないだろうか。
またもや飯伏の邪魔でヒロムとSHOの対談は進まない
ヒロムが口を開いたとき、飯伏幸太がまたもや登場する。
また来ちゃったと、若干茶目っ気を見せながら、ヒロムとSHOの間に割って入ってくる飯伏。
その飯伏に向かって、「すごい度胸だと思う。面白い、敵ながら面白い」
「お前が来ると変な空気になっちゃう、もっとSHOと話したかったのに、邪魔してくるからイヤだ」
という、見ようによってはヒロムと飯伏に掛け合いは、少し前までリング上で激しいぶつかり合いをしていたプロレスラーということを、一瞬忘れてしまいそうになる。
が、この両者はそれぞれのベルトを持つ、チャンピオンであることは間違いないのだ。
そして、この2人のやり取りを、ただただ冷静にそして、モヤモヤを感じながら聞いているSHO。
そのSHOは「今日の夜も。チャンピオンが、高橋ヒロムが俺に何を聞きたかったのか、気になって気になって眠れないじゃないか・・・」と首をかしげならため息交じりの言葉だけをのこした。
高橋ヒロムとSHO前哨戦・まとめ
プロレスのイメージといえば、敵対する選手同士が話をする、ましてや、同じインタビュースペースで座り込み、笑顔で話すことは、まれに見る光景だ。
これは、高橋ヒロム、SHO、飯伏幸太という3人だからのなせる業なのか?
以前にヒロムが言っていたように、高橋ヒロムとSHOだったら許されるということなのだろうか?
しかも、この3人のインタビュースペースで、しゃべるのは高橋ヒロムと飯伏幸太が大半を占めている。
高橋ヒロムは、まあいい。
この前哨戦は、あくまで高橋ヒロムとSHOなのだ。
IWGPジュニアヘビー級王座という、1つのベルトに思いを懸ける、プロレス人生を懸ける、そのために、日々この2人はお互いを意識しながら、全力でぶつかり合っている。
が、飯伏幸太はすでに、ジュニアではない。
ここに、これからのプロレスの新しい形とでも言うのだろうか、昭和の時代からのプロレスカラーというものを残しながらも、世代が変わり、メイン上がる選手が変わっていく。
そんなこれからの、もう一つのプロレス界を感じさせる予兆なのではないだろうか。
プロレスラーの心の中にある炎には、自分が新日本を変える、プロレス界を変えてやる、そういった、いつの時代になっても消えない、そんな炎がメラメラと燃え上がっているに違いない。
2.10・広島でのIWGPジュニアヘビー級王座決定戦の前哨戦も、いよいよ後半に差し掛かっている。
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