鷹木信悟からNEVERにベルトを奪取した棚橋弘至に挑戦表明したのは・・・

新日本プロレス

1.30・名古屋。

しばらくシングル王座戦から遠のいていた棚橋弘至が、「NEVER」のベルトを懸けた戦いの幕が下りた。

1月からの幾度の前哨戦のたびに、時には不安を感じさせる弱音をはき、涙を見せることもあった棚橋だが、1.25後楽園ホールでの鷹木との戦いで、ようやくNEVERのベルトへの思いが熱くたぎってきた。

1.25後楽園ホール・前哨戦を目前に鷹木、棚橋の心の中にともる灯

前哨戦を繰り返す中、いよいよ1.30「NEVER無差別級」のシングル王座戦が近づいていた1.25後楽園ホール。

この日も互いのタイトルマッチを控える6人の男たちはリングの上で戦っていた。

試合終盤、そんな6人の中で、さらに熱い炎をメラメラと燃やしていた王者・鷹木信悟と挑戦者・棚橋弘至の一騎打ちとなり、鷹木がパンピングボンバーからカバーに入ったところで、タイムアウトとなった一戦。

リング上には、6人の男たちが大の字になっている。

会場からは、大きな拍手が沸き上がった。

その後、棚橋弘至は鷹木信悟に向かって、愛の告白をするが、鷹木には届くことはなかった。

が、この戦いで、シングル王座戦に挑み続けていたころの棚橋弘至という、100人に1人の逸材と言われている姿が戻ってきたようにも見えた。

そんな棚橋弘至に向かって、鷹木が「ようやく本気になってくれた」と互いの心の中にともる炎はメラメラと勢いをましたのではないだろうか。

いつでも本気のフル稼働の鷹木信悟に本当に挑戦できるのか?

棚橋弘至といえば、しばらくシングル王座戦への挑戦というラインから離れていたこともあり、今後の棚橋弘至に対する、ファンの心配もあったことだろう。

そして、棚橋弘至自身も、鷹木信悟といういつも熱く、いつでも試合に、相手にまっすぐと突き進む男に挑戦することができるのか?という不安をもっていたという。

鷹木信悟といえば、シングルとしてもタッグでの試合でも、新日本プロレスのマットでも熱い、そして情熱で満タンになっている男だからだ。

試合では、勝とうが負けようが好勝負をみせ、ファンの心を着々と掴み、魅了していく、まさに技も試合も、鷹木信悟という一人の男としても、ドラゴンと名乗っているように、昇り龍を感じる。

鷹木信悟は棚橋弘至との一戦を迎える日を待っていた

鷹木信悟が新日本プロレスのリングに、そして、内藤哲也率いるL・I・J参戦から約2年3ケ月が経とうとしている。

この2年3ケ月の間に、鷹木信悟は着実に実績と信頼を積み重ね、今では鷹木の試合からは目が離せないほど、プロレスの神髄を感じさせる試合を繰り広げている。

だが、そんな鷹木もこれまで一度も棚橋弘至とのシングル戦は組まれたことがなかった。

IWGPヘビー級王座の最多載冠記録を保持し、エースだ100人に1人の逸材と言われている、言い張っている男とシングル戦で戦ってみたいと思うのは、自然なこととも受け取れる。

これからのNEVER王座の存在を、存在感をさらに強めるためにも、新日本プロレスのきっての逸材を引きづりだし、シングル王座戦を戦ってみたいと思うのも、自然なこととも受け取れる。

そのために鷹木はマイクアピール、バックステージコメントで、常に、棚橋に喝を入れるように、言葉を棚橋に投げかけ続けていたのだ。

試合では、序盤から棚橋が鷹木の左足に狙いを定め集中攻撃、鷹木もまた、棚橋の痛めている膝を攻撃するも、友好的だったのは挑戦者の棚橋の方だった。

1.30鷹木信悟が棚橋弘至から引き出したもの

試合時間30分を超え、長期戦になるように感じさせるなか、鷹木はもっと楽しもう声を張り上げる。

鷹木は、繰り返してきた前哨戦で、じわじわと棚橋の熱い思いと戦いに挑む姿を引き出してきた、と同時に、棚橋に中に眠っていた、いや、息をひそめていた底力も一緒に引き出してしまった。

いままではどこか、”棚橋弘至”というイメージを保ちながら試合をしていた棚橋だったと思うが、鷹木が引き出した棚橋の底力は、試合終盤にかけて鬼気迫るものへと変容し、鷹木にヘッドバットを見舞い、鷹木の技を執念で切り返していった。

さらには、ハイフライアタック、ドラゴン・スープレックス、ハイフライフローというっフィニッシュへの畳みかけは圧巻だし、これからの棚橋のさらなる進化が期待される一戦になったのではないだろうか。

今回の両者のタイトルマッチに至るまでのやり取り、そして、1.30の両者の戦いは「NEVER無差別級」のベルトの価値、そして、挑戦への敷居を高めた一戦と言ってもいい。

1年4か月ぶりに手にした王座を狙う者は・・・

棚橋弘至がシングル王座戦で、ベルトを手にするのは約1年4か月ぶりとなる。

シングル王座戦線の帰還にふさわしい、説得力のある試合と姿をファンに見せてくれた。

鷹木から「NEVER」のベルトを勝ち取った棚橋が、リング上でマイクを取り、「みなさん本当にありがとうございました、こういう状況下で俺自身が弱気になっている部分がありましたが、今日の対戦相手の鷹木選手に教わりました」

「プロレスラーは、いつ、いかなるときも、胸を張って、前に進んでいきます。今日は本当にありがとうございました」

そして、久しぶりのエアギターを奏で、ダブルアンコールにも応え、勝利を、約1年4か月ぶりにシングル王座戦線に帰還した喜びを感じ、再度マイクを取った。

やはり、棚橋の最後はこの言葉だ。

ようやく、久しぶりに棚橋弘至のあの言葉が聞ける

そう、ファンも期待を膨らませていた。

だが、「愛してま・・・」まで言った瞬間に棚橋を襲ったのは、グレート・オーカーンだった。

棚橋のこれまでのベルトへの思いを踏みにじるかのようにいとも簡単に挑戦表明をするとは・・・

ようやく手にした「NEVER」のベルト、シングル王座戦への帰還、その瞬間に、早くも挑戦表明をしたグレート・オーカーン。

背後からエリミネーターで棚橋を叩きつけ、マイクを手にしたグレート・オーカーンが放った言葉は

「東京ドームで終わりだと思ったのか?棚橋キサマが帝国の軍門に下がるか、引退するまで、何度も何度も何度だって同じ目に合わせてやる、わかったならこのNEVERのベルトを献上しろ」だった。

最近のグレート・オーカーンは、内藤哲也に的を変えている発言をしていた。

そこで、まさかのまた棚橋に的を変えてきたのだ。

グレート・オーカーンは何をしたいのか?

という疑問を持っているファンも多いだろうが、まずはベルトを狙っていきたいというところなのだろうか?

ベルトを奪われた鷹木のポジティブさは真似るべき

バックステージでの鷹木は、「絶対に負けられない一戦だったが、やられたよ。こんなことを言ったら柄じゃねえかもしれないけど、俺は嬉しかったよ、目の前に凄くて、強い棚橋がいたから。試合中にワクワク、ワクワクした」

「この1試合で、負けたからって、落ち込むことはねえ、2021年はあと11か月もあるんだ。今日の負けなんか、残り11か月暴れ龍のごとく、ベルトがあろうがなかろうが、闘ってやるよ」

「棚橋、リング上で「もう1回やろう」って言ったことを忘れんなよ」

と、負けたことを悔やむどころか、さらに闘志を燃やしているといってもいいくらい、清々しい鷹木は、男としてかっこいいと思える。

試合終了の瞬間は、誰もが王者・棚橋弘至vs挑戦者・鷹木信悟の試合は必ずある、何度でも、二人でベルトを懸けた闘いを見せてくれるに違いないと思っただろう。

だが、そこに割り込んできたグレート・オーカーンの挑戦表明は、いつ実現されるのか?実現する必要のある相手なのか?という疑問が残るところだが、ひとまずは、横に置いておくことにしよう。

NEVER無差別級ベルトを懸けた鷹木信悟と棚橋弘至のまとめ

棚橋弘至といえば、プロレス低迷時代を盛り上げてきた立役者である。

それから、新日本プロレスをプロレス界を盛り上げるために、自身の膝の故障を抱えながらも、リングの立ち続けている。

そんな棚橋は、シングル王座戦線から離脱してからは、どこか弱弱しく感じるコメントを残したり、40代にしてよく泣く男という印象の方が強くなっていた。

そんな一棚橋弘至に、ベルトを懸けた闘いを挑んだ鷹木信悟。

今回、鷹木信悟が棚橋にベルトを懸けろ、そんなもんじゃねえだろ、ベルトに懸ける熱が伝わらない、逸材じゃんか打て偽りだろなどと、コメントでマイクアピールで、薄明りに灯っていた棚橋弘至の闘志に、燃え盛る炎を注ぎ、呼び覚ましたといってもいい。

感情をあらわに、闘志をあらわにする

プロレスの面白さはそういうところにあるのだと思うんです。

いまや、周りの目を気にして言いたいことを言えない。

人からどう思われるかばかりを気にして、思うように行動ができない。

そういったことが増えている中で、プロレスは、そんなことは関係ねえよと、自分の熱を、自分自身を信じろ!とでも言われているように感じます。

一番すげえのはプロレスなんだよ!

まさに、この言葉はプロレスを一言で表している言葉だ思います。

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