プロレスラーのイメージも、昔のアントニオ猪木や長州力、蝶野正洋などの時代から比べると、男と男のぶつかり合いというだけのイメージから、タレントにも似たような華やかさを感じるようになってきています。
そんなタレント性が色濃く出ていると感じるのは、新日本プロレスの中のユニットL・I・Jのメンバーです。
そのメンバーを、4つのコーチング的コミュニケーションスタイルに当てはめてみましたよ。
急激にタレント性を感じるようになったプロレス界の変化とは?
20年ほど前は、当日の試合はいついってもチケットがあり、いつでも観戦ができる。
そう思っているのもつかの間、今では当日券すらなかなか買うことができない、会場には女性ファンも増え、少し前のプロレス大好き一色といった男性ばかりだった観客席とは、まったく違う光景に変わってきています。
そんなプロレスラーも、個々のカラーが色濃く出てくるようになり、以前よりもより一層、親しみやすさを感じるようになったのではないでしょうか。
そう感じる一つが、キャラなのか?本当のその人なのか?どちらが本当の姿なのだろうとわからないほどの、自然にあふれ出る態度やしぐさ、言葉から感じ取ることができます。
以前からも、各団体に一人や二人はタレントやモデルなのでは?と感じさせる選手はいました。
ところが、年々ビジュアルも、発信力もタレントと言ってもいいほどに、SNSなどで目にする機会が増えてきました。
スポンサー会社から発売されるゲームになったり、映画やドラマに出演したりと、メディアでも多く見られることで、プロレスは観ないし、知らないという人でも、選手の名前を知っているということも増えましたね。
内藤哲也選手はリーダースタイル
リングの上では、登場すると同時に会場は、内藤哲也一色になると言ってもいいほどに、存在感を醸し出す。
何かを指示したり、命令するリーダーとは違うが、どこか試合やメンバーや、対戦相手までもが、気づくと周りが内藤哲也というペースに引き込まれていることがあります。
焦っている相手に対して、メキシコの言葉で、トランキーロ(あせんなよ)と、相手をなだめてみたり、わざと相手をじらして楽しむところもある。
内藤選手は、ヘルパースタイルにも見て取れます。
表立って、いつも先頭に立っているというよりは、じっと自分の世界を楽しんでいるようにも見えます。
メンバーをこっそりとサポートしたり、ちょっとしたときに嬉しいサプライズをしてみたりするところも、相手のために何かをしてあげたいという、ヘルパースタイルの特徴がでています。
SANADA選手はヘルパースタイルとシンクタンクスタイルのハーフ
12月11日に決勝戦が行われ、幕を閉じたワールドタッグリーグで組んでいた鷹木選手の言葉を借りれば、いつでも冷静そのもの。
試合中も感情的に走って、試合をするというよりは、冷静に相手の動きを見ていて、ここというところでカットに入ったり、相手をサポートすることがうまい。
メインイベントで勝ったとしても、話し好きの鷹木選手にマイクアピールを譲るシーンは、試合を見たことがある人には有名にシーンの一つです。
決して、自ら毎回マイクアピールをするタイプではないけれど、ふっとしたときにさりげなく、そしてとっても自然にカッコいい一言を残していく。
ワールドタッグで初タッグを組んだ鷹木選手には、いままでのタッグの相手でTKGが一番好きですと、ちょっとした鷹木選手へのラブコールや、観客のスマホライトを点灯させ、会場の灯りを落とした中で見える、ライトだけの光景を、みんなへのギフトだよなどと言ってしまう。
こんな言葉をクールな表情で、さらっと言ってしまうSANADA選手は、そういう中でも相手へのサポートをしつつ、相手を冷静に分析するシンクタンクスタイルの要素を持っているので、相手の喜ぶポイントを知っているのでしょうね。
高橋ヒロム選手と鷹木選手はプロデューサースタイル
この両選手は、自分が大好きで、楽しいことが好きなんだーということを、体全身でアピールしています。
マイクアピールを聴いていても、自分を誉めたたえることもできるし、相手を褒めたたえ、認め、負けた試合のことをずるずるとネチネチと引きづることはありません。
むしろ、試合に負けたとしても、その瞬間に次の試合のことに考えも気持ちもシフトできる。
同じ対戦相手と、ベルトをかけた対戦が決まれば、すでに今日のこの瞬間はもう過去になっていて、次の試合では絶対勝ってやると、すぐさま言葉にする。
楽しいことが好きで、細かいことにこだわらずに、新しいこと、次のこと、未来のことをいつもいつも考える特徴があるプロデューサースタイルにぴったりの両選手です。
BUSHI選手は案外4つすべてを持っているオールマイティ?
あまり表立ってマイクアピールをすることもなければ、試合の中でも自分を誇示しようとすることも、あまりないBUSHI選手。
だが、内藤選手と組めば、内藤選手をちょこちょこと言葉を交わし、作戦を立てているように見えるシーンもあれば、8月29日の神宮球場大会では、危機になった内藤選手の試合に、SANADA選手と共に救済に駆け付けるという、ヘルパースタイルの部分もある。
そうかと思えば入場時のマスクは毎回違うマスクで、同じマスクをつけて登場することはないところは、リーダースタイルやプロデューサースタイルの要素も垣間見える。
メンバーのことを、どこか一歩引いたところから、いつも見て相手にあった行動をとることができるあたりは、分析を得意とするシンクタンクスタイルの特徴が見え隠れする。
そう考えると、4つのスタイルをすべて均一に、そして、その場の状況や相手、環境に合わせて使いこなしているのではないでしょうか。
4つのコーチング的コミュニケーションスタイルを簡単解説
・リーダータイプ
主導や判断が大好きで、行動力があって、指示管理をすることが好き。話をする時に長々と話されると、途中で耳に入ってこなくなることもある。
・変化や感覚が大好きなプロデューサータイプ
楽しくて、情熱的で周りを動かすのが得意。
積極的・感覚的で説得力があるからか、人と関わることでストレスを解消する。
・慎重で思考派のシンクタンクタイプ
よく完璧主義者とか言うけど、質の高い仕事を追求し、完璧を目指しすぎる傾向があり、詳細まで確認して事実を積み上げていくことが得意で、個人的な時間でストレスを解消するから、放置気味と感じるくらいがちょうどいい。
・安定調和が大好きなヘルパータイプ
忍耐力・協調力があって、チームなどの支え役になる。
自分より相手の立場や感情を重視しすぎるので、なんか引っ込み思案に見えたり、自分の意見をなかなか言わないから
わかっているのか、どうかの判断をしずらい傾向がある。
まとめ
4つのコーチング的コミュニケーションスタイルは、どれか一つときまっているものではなく、4つの特徴は、誰もがすべて持っているものです。
ですが、状況や環境、接する相手によって、4つのコミュニケーションスタイルを自分で使い分けているといっていいでしょう。
ただ、相手を知るうえで、この4つのコーチング的コミュニケーションスタイルの特徴に当てはめて、見ていくことで、人とのコミュニケーションが円滑に回り始めるようにするための、一つの方法とも言えます。
プロレスを試合観戦という視点だけではなく、個人に焦点をあてて見てみると、あくまでわたしたちが、知りうるリング状の選手の顔と、プライベートで見せている顔はおそらく違うものでしょうね。
コミュニケーションが苦手と感じている人は、この4つのコミュニケーションスタイルを参考にしてみると、周りの人以外にも、自分の好きな選手の違った一面が見えてくるのではないでしょうか。
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